2015年08月26日
サラを蹴飛ばそう
『セリー、バカなことはやめなさい』
サラが怒鳴る。
「セリー、取り返して」
カレンの声だ。セリーは猛然とサラに向かうと彼女の手から戦車を奪い取った。
『セリー、あなたどうかしてるわ!』
『してないわ、カレ柏傲灣呎價
ンの方が正しい。それだけよ』
今度はサラが向かってきた。
アンドロイドの腕力は人間の数百倍ある、運動能力も桁違いに大きい。
セリーは向かってきたサラを壁に向かって投げ飛ばした。サラは素早く宙返りをし壁の桟木を蹴るとセリーに体当たりする。セリーは跳ね飛ばされて窓にぶつかりそうになったが、うまく窓の枠に足ををかけて受け止めた。
喧嘩にはなったが部屋を壊すわけにはいかない。アンドロイドが本気で戦ったらこんな部屋などバラバラに壊れてしまう。お互いに部屋の調度品を壊さないように注意しての戦いだ。
セリーがサラを天井に向けて蹴飛ばす。サラが天井に足をあてて柔らかく受け止めそのまま真下にいるセリーに向かってくる。
「すげー」
軽業のように部屋中を飛び回るサラとセリーを二人の子供がビックリしてみている。
サラはセリーが手に持っている戦車を取ろうとするが、体重が軽く作
られているセリーの方が有利だ。
二人は部屋を壊さないように注意して戦っていたが、壁や天井にぶつかるたびにものすごい音がしていた。
何事が起きたかと奥様が駆け込んできた。
「やめなさい!! 何してるんです!!」
奥様に怒鳴られて二人はやっと我に帰った。ちょうどセリーがとしている所だった。
「カレンがおもちゃを取ったんです」
サラが叫ぶ。
「ちがいます、セロルドが取ったんです」
セリーも叫んだ。もう、絶対に負けられない。
「どうしたというのです!」
奥様が叫ぶ。
「戦車はセロルドのおもちゃです」
「ちがいます。カレンが先に開けた箱に入っていたからカレンのです」
セリーも負けていない。
「おもちゃの取り合いなの?」
奥様は驚いている。ふと、床に落ちて數學暑期班いるお人形を見つけた。
「これがカレンのおもちゃでしょ」